石垣マニア必見!丸亀城石垣崩落復旧整備事業。石垣の構造や知識を知るチャンス。
日本の名城100選にも選ばれ、美しい高石垣と天守現存が魅力の丸亀城ですが、現在工事をしている個所があります。
2018年の大雨や台風の影響により、丸亀城南西部の帯曲輪石垣と三の丸石垣が崩落したため、復旧工事をしているのです。
香川県丸亀市のシンボルの丸亀城。今なら工事している様子も見ることができますよ!
丸亀城
丸亀城は別名亀山城や蓬菜城とも呼ばれる標高66mの亀山に築かれた平山城です。
本丸、二の丸、三の丸、帯曲輪石垣が巡り、北側の石垣は扇の勾配(こうばい)と呼ばれ高く美しい曲線で築かれています。
[speech_balloon id="2″]石垣マニアにはたまらないね。[/speech_balloon]
丸亀城天守は重要文化財に指定されており、高さ日本一の石垣の名城として有名な現存天12城の1つです。
石垣崩落
2018年(平成30年)の7月から10月にかけて大雨や台風の影響により、丸亀城南西部の帯曲輪石垣および三の丸石垣が崩落しました。(6月28日~7月8日にかけて西日本を中心とした大雨をきっかけに。)
工事をしていると崩れた石垣の中から、石垣が見つかるという不思議なことが。
江戸時代にも石垣が崩れた記録が残っているため、今回見つかった石垣はその時に崩れて修復する際に地中に埋められたものだと考えられます。石の状態が傷んでいてとても悪いものでした。
見つかった石垣の大きさは合計6段分で2mを越えており、重機の無い時代に手作業で作られていたと思うと驚きですよね。
2018年(平成30年)7月7日、丸亀城帯曲輪石垣崩壊。
10月8日、帯曲輪石垣南西角部が崩壊。
10月9日、支えを失った三の丸坤櫓台後が崩壊。
工事の流れ
丸亀城は丸亀市のシンボルであり貴重な文化財であることから、伝統工法による復旧を基本と現代工法も検討しながら教育委員会文化財保護室と連携して復旧作業が行われます。
2019年(令和元年)6月13日、応急対策工事完了。
①三の丸石垣解体
2019年12月23日、足場を組み始める。
2020年1月31日、解体開始。
2020年6月10日、グラウンドアンカー47本打設工事開始。
②帯曲輪(おびぐるわ)石垣解体
③帯曲輪石垣積み上げ
④三の丸石垣積み上げ
期間
丸亀城石垣崩落復旧整備事業は5年での復旧を目標に掲げ、2024年(令和6年)3月末までに完成の予定でしたが、様々な要因で工事が遅れています。
工事を進める中でアクシデントも起こるでしょうし、なにせ新型コロナウイルスのパンデミックが起こったりと予期せぬことが続きました。
工事してくださっている方には、あまり焦らず安全第一でお願いしたいものです。
石垣の解体
昔の人は機械に頼らず人力で作り上げたのですから人手と労力が比べ物にならないかもしれませんが、現代でも大仕事なのが分かります。
①掘削
石垣の解体はまず、石垣裏側の盛土と栗石の重機掘削から始まります。
②清掃、番付
重機掘削の次は手作業で石垣の隙間にある栗石を取り外し、掃除機を使って土砂を吸い取ります。
その後で一石一石に墨で管理番号を記入していきます。
③解体
大きな石材にワイヤーを通して重心を調整しながら吊り上げます。
取り外した石材を城内のグラウンドに降ろします。
割れているものや重さが3tを越える石材もあるのですごく慎重な作業になりますし時間がかかります。
[speech_balloon id="2″]もう一度積み上げる時に使うので、大事に扱わないといけないんだね。[/speech_balloon]
④観察、調査
元の石材の積み重なり方は、石垣を積み直すための重要なデータです。石の重みを受けて、擦れて白くなった点(アタリ)にしるしを付けて記録を取っておきます。
まとめ
形あるものは壊れるというけれど、江戸時代に直し、時を越えて令和の現在も直しているなんて感慨深いものがありますよね。
今日も復旧作業が行われています。どうかご安全に。完成するのを楽しみにしています。
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