四国八十八ヶ所お遍路の旅。【85番札所】五剣山 観自在院 八栗寺(ごけんざん かんじざいいん やくりじ)
八栗寺は商売繁盛・縁結び・学業成就などのご利益があると伝えられ、「八栗のお聖天さん」と呼ばれ親しまれています。徒歩、車でも登ることが出来ますが、レトロなケーブルカーに乗って登るのがお勧めです。
八栗寺
本尊:聖観世音菩薩
本尊真言:おん あろりきゃ そわか
宗派:真言宗大覚寺派
ご詠歌
煩悩(ぼんのう)を 胸の智火(ちか)にて 八栗をば 修行者ならで 誰か知るべき
「智火」とは知恵と同じような意味で、知恵が煩悩を焼き尽くす火に例えています。寺の名の八栗寺の「やくり」に「焼く(やく)」がかけられているのでしょう。
「八栗寺で、人々の身心を悩ませる煩悩から脱しようとしている。知恵で煩悩を焼き尽くすことを、修行者以外誰が知ることができようか。いや誰も知ることはないだろう。」と詠まれています。
場所
公式サイト:http://yakuriji.jp/
宿坊:なし
電話:087-845-9603
〒761-0121 香川県高松市牟礼町牟礼3416
無料駐車場があります。
志度インターチェンジから国道11号線を牟礼町へ。コトデン八栗駅前を左折して県道36号線を進み、標識のあるT字路を右折すればケーブル登山口駅に到着します。
御朱印
歴史
ケーブルカーで登ることが出来る五剣山(標高375m)は、まるで剣を突き上げたかのような神秘的な稜線を持ちます。
829年(天長6年)、弘法大師がこの山に登った際、五振りの剣が天から降り注ぎ、山の鎮守・蔵王権現が現れたといいます。そして蔵王権現は「この山は仏教相応の霊地なり」と告げ、弘法大師はそれらの剣を山中に埋めて鎮護とし五剣山と名付けました。
当時は五剣山の山頂から讃岐・阿波・備前などの四方八国を見渡すことが出来たので、もともとは「八国寺(やくにじ)」という名前でした。
八栗寺の由来は、弘法大師が唐に行く前に仏道修行の祈願が叶うように、さらに入唐求法の成否を占うために八個の焼き栗を植えました。
八個の焼き栗が全て芽吹いたことから、芽の出ることのない焼き栗が芽吹くと同時に、弘法大師の願いも成就したのだという言い伝えが残されています。それを機に「八栗寺」と名が改められました。
天正の兵火で焼失しましたが、江戸時代に高松藩主の松平頼重が再興しました。
五つの峰が剣を突き上げたかのようにそびえていた五剣山でしたが、1704年(宝永4年)の大地震で1つの峰が中腹より崩壊してしまいました。
見どころ
【聖天堂】木喰以空上人が後水尾天皇皇后東福門院から賜った歓喜天が祀られています。
商売繁盛や学業成就、縁結びにご利益があると言われ「八栗の聖天さん」として親しまれています。
中将坊(ちゅうじょうぼう)
【中将坊堂】神通力を得た修行者を天狗として祀っています。
八栗寺の背後にある五剣山では、多くの修験者(しゅげんしゃ)が修行したと言われています。
その名残から、八栗寺には修行者のシンボルである天狗を祀るお堂があり、さぬき三大天狗の一人である『中将坊』が本尊として祀られています。
中将坊は頭髪が三つに裂けており、赤ら顔で鼻が高く、大きな翼を持つ大天狗。
夜に山から下りてきて、人々の願い事を叶えるために飛び回り朝に山に戻っていくそうです。
中将坊堂脇に下駄を奉納し、翌日下駄が汚れていれば中将坊が働いてくれた印と言われています。
次の86番札所「志度寺」まで約7㎞(車で約15分)です!