四国八十八ヶ所お遍路の旅。【87番札所】補陀洛山 観音院 長尾寺(ふだらくさん かんのんいん ながおじ)
長尾寺は地元では「長尾の観音さん」や「力餅・静御前得度の寺」として知られています。
長尾寺
本尊:聖観世音菩薩(秘仏)
本尊真言:おん あろりきゃ そわか
宗派:天台宗
ご詠歌
あしびきの 山鳥の尾の 長尾寺 秋の夜すがら 御名を唱えよ
長尾寺の”長”、鳥の尾の”長さ”、夜すがら(一晩中)の時間の”長さ”を強調したのではないかと考えました。
「山鳥の尾は長い。その山鳥の尾ではないが長尾寺で秋の一晩中、お経を唱えなさい。そうすれば必ず菩薩様のご加護があるでしょう。」と詠まれています。
場所
公式サイト:https://nagaoji.com/
宿坊:なし
電話:0879-52-2041
〒769-2302 香川県さぬき市長尾西653
駐車場
普通車 | 40台 | 無料 |
志度インターチェンジから県道141号線・県道3号線を経由して、長尾方面へ約6㎞、車で約10分。
ことでん長尾線の最終駅・長尾駅より徒歩3分です。
御朱印
歴史
明治維新の後、お寺の本坊は学校や警察、郡役所などの公共施設に提供されました。
739年(天平11年)に行基がこの地を歩いていると、道端に揚柳(ようりゅう)の霊夢を感じて、3尺5寸(約1m)の聖観音菩薩像を彫像して本尊とし堂宇を建立、開基したとされています。
聖徳太子という説もあるけど、
行基の説が一般的だよ。
806~810年(大同年間)に弘法大師がこの寺を訪れて、入唐が成功するようにと年頭七夜に渡り護摩祈祷を修法して、国家安泰と五穀豊穣を祈願しました。
唐から戻った弘法大師は再びこの地を訪れ、「大日経」を一石に一字ずつ書写して供養塔を設立して、その時に真言宗に改宗しました。
弘法大師の年頭七夜の祈願は現在にも受け継がれて、毎年正月の七日には「大会陽(だいえよう)」が盛大に開催されています。弘法大師が護符を人々に投げ与えたという話にちなみ、福餅を投げ、三方に載せた大鏡餅(160㎏)の運搬競争も行われます。
新春を彩るこの地の風物詩であり、一月二日には「三味線餅つき」という、鳴り物のリズムに合わせて1俵の餅を搗く行事も開かれています。
長きに渡り多くの天皇から帰依されましたが、天正の兵火で本堂以外は焼失してしまいます。1596~1615年(慶長年間)の生駒氏が国主の時に復興を果たし、江戸時代には高松藩主・松平頼重が堂塔を寄進し伽藍を整備して、真言宗から天台宗に改宗されています。現在の堂塔や仁王門はこの頃に造営されたものです。
見どころ
【仁王門】
【本堂】1683年(天和3年)に讃岐藩主・松平頼重が建立しました。
本尊は幾多の火災でも難を逃れ、秘仏として讃岐七観音の中でも当国七観音随一と指定しました。
【静御前剃髪塚】源義経の側室の静御前の故郷といわれ、母の磯禅尼とともに、出家の際に切り落とした髪を埋めたとされる塚が、本堂横にあります。
【長尾天満自在天神宮】
次の88番札所「大窪寺」まで約18㎞(車で約40分)です!