四国八十八ヶ所お遍路の旅。【61番札所】栴檀山 教王院 香園寺(せんだんさん きょうおういん こうおんじ)
香園寺の境内には、本堂と大師堂を兼ねた近代的な大聖堂があります。「子安のお大師さん」として人々から親しまれています。四国霊場で唯一、聖徳太子が開創したと伝わっています。
聖徳太子を偲び毎年2月22日に法要が行われています。
香園寺
本尊:大日如来
本尊真言:おん あびらうんけん ばざらだどばん
宗派:真言宗御室派
ご詠歌
後の世を 思えば詣れ 香園寺 止とめて止まらぬ 白滝の水
江戸時代に刊行された遍路本のご詠歌は「思えばまいれ」が「おそるる人は」になっていたようです。
「のちの世を恐れてしまうなら、止めても止まらなく流れる白滝の水を求めて香園寺にお参りなさい。」と詠んでいます。
香園寺には白滝不動があったことから、白滝の美しい水に触れると、恐れも洗い流される気持ちになれるということでしょう。
場所
公式サイト:http://www.koyasudaishi.or.jp/
宿坊:なし
電話:0898-72-3861
愛媛県西条市小松町南川甲19
無料駐車場があります。
伊予小松インターチェンジから国道11号線を西条方面へ。香園寺交差点を右折後、約370m走り右折すると正面にあります。
御朱印
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歴史
香園寺は用明天皇の病気平癒を祈願して、皇子であった聖徳太子が開いた四国霊場屈指の古刹です。聖徳太子の夢の中に、金の衣を身にまとった白髪の老翁が天より舞い降り、「二名の島(現在の四国)に霊地あり。梵舎一宇を建立せば病脳忽ち平癒すべし。」とお告げを受けました。
聖徳太子は霊地を探し、林の中で一夜を過ごした明け方、金の衣を着た白髪の老翁が霊鳥にのって現れ、「仏法有縁の霊境なり(ここが神聖な場所だ)」と告げたので、ここに七堂伽藍を建立しました。竣工の時、老翁は再び現れ17日間お堂の中にこもって本尊の大日如来像を安置したと伝えられています。
このお陰で天皇は病気が治り、香園寺は天皇から「教王院」に勅号を賜り、祈願寺とされました。
弘法大師が訪れたのは大同年間(806~810)とされます。ある日、門前で苦しむ身重の婦人のために弘法大師が栴檀の香を焚き、加持、祈祷を行いました。すると夫人は無事に元気な男の子を出産。
これが機縁となり弘法大師は小さな金の大日如来像を本尊に納めて、再び栴檀の香を焚いて「安産」「子育て」「身代わり」「女人成仏」を祈る”四誓願”の護摩修法を行い霊場として定めました。山号の「栴檀山」はこの事跡に由来します。
天正の兵火で荒廃し明治大正期に復興しました。当時の住職「山岡瑞園(やまおかずいえん)」が「子安講(しあんこう)」(安産祈願、子育て信仰)を創始して、全国はもとよりアジア各国や米国まで行脚しました。今や子安講の輪は、アフリカにまで広がり講員は二万人を超えています。
見どころ
【子安大師像】弘法大師が背中にゴザ、右手に錫杖、左手に赤ん坊を抱いています。
【大聖堂】近代的な褐色の鉄筋コンクリート造りで高さが16mです。1階に大講堂、2階に本堂と大師堂があり、本堂には約620席あります。
本尊の大日如来は大聖堂に祀られており、いつでも拝観することが可能です。
次の62番札所「宝寿寺」まで約2㎞(車で約5分)です!