四国八十八ヶ所お遍路の旅。【63番札所】密教山 胎蔵院 吉祥寺(みっきょうざん たいぞういん きちじょうじ)
吉祥寺は四国霊場で唯一、毘沙門天を本尊として祀っている札所です。
吉祥寺
本尊:毘沙門天
本尊真言:おん べいしらまんだや そわか
宗派:真言宗東寺派
ご詠歌
身の中の 悪(あ)しきひはうを 打ちすてて みな吉祥を のぞみいのれよ
「身の中の」は院号の”胎蔵院”を表し、「あしき」は身体の”足”と”悪しき”をかけていると思われます。「ひはう」は誹謗(ひぼう)の意味。「吉祥」は寺名と吉祥天(きっしょうてん)を表現しています。吉祥天は吉祥寺の本尊の毘沙門天の妃で、福徳安楽を与えて、仏法を護持する天女です。
「誹謗中傷を言うようなことはやめて、みなで幸福・繁栄を望み祈りなさい。」と詠まれています。
場所
公式サイト:なし
宿坊:なし
電話:0897-57-8863
〒793-0072 愛媛県西条市氷見乙1048
近隣の有料駐車場を使用してください。
伊予小松インターチェンジから国道11号線を西条方面へ。氷見小学校前交差点を過ぎたすぐ左手にあります。
御朱印
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歴史
縁起によると、弘法大師がこの地を巡教した際に一本の光を放つ檜を見つけ、その霊木で毘沙門天像を彫像しました。さらに脇侍として吉祥天像と善膩師童子像(ぜんにしどうじぞう)を彫って安置し、堂宇を建立したのが開創と伝えられています。
その頃の寺は現在地より南東の坂元山にあり、広い寺領に堂塔が21坊もありました。しかし1585年(天正13年)の豊臣秀吉による四国攻めに巻き込まれ山ごと焼失し、その後の1659年(万治2年)に末寺であった檜木寺と合併して現在の地に移って再建されました。
寺宝の一つに高麗焼のマリア観音像(非公開)があります。これは土佐沖で難破したイスパニア船の船長が、長宗我部元親に贈ったものだといいます。元親はマリア像とは知らず、”吉祥天のように美しい観音像”として代々伝えられ、徳川幕府のキリスト禁教令もくぐり抜けて、今に伝わると言われています。
見どころ
【くぐり吉祥天女】下をくぐるとあらゆる貧苦を取り除き、福を授けてくださるという言い伝えがあります。
【成就石】本堂から目を閉じて歩き、願い事を唱えながら穴に金剛杖を通すことができたら願いが叶うと言われています。高さ1mほどの石で、中央下に口径30㎝余りの穴があいています。
【毘沙門天】四天王のうち北方をつかさどる。現世利益の仏様。
寺には他に鎌倉時代の『十二天屏風』、室町時代の『山越阿弥陀三尊像』(紙本著色)などが保存されています。
次の64番札所「前神寺」まで約3㎞(車で約10分)です!