四国八十八ヶ所お遍路の旅。【66番札所】巨鼇山 千手院 雲辺寺(きょごうざん せんじゅいん うんぺんじ)
雲辺寺はその名前が示すように、標高911m讃岐山脈の山頂近くにある四国霊場一の標高を誇る霊場です。「遍路転がし」という難所と呼ばれていましたが、現在は麓(ふもと)から山頂までロープウェイで登ることができます。
住所は徳島県ですが霊場としては讃岐・涅槃(ねはん)の道場の打ち始めで、「関所寺」になります。
雲辺寺
本尊:千手観世音菩薩
本尊真言:おん ばざらたらま きりく
宗派:真言宗御室派
ご詠歌
はるばると 雲のほとりの 寺に来て 月日を今は 麓(ふもと)にぞ見る
「はるか遠く雲のほとりにあるこの雲辺寺に来て思う。上から麓を見下ろすと、はるばる難所を歩いてくるのにどれほどの月日が経ったのだろうか。」と詠まれています。
「雲のほとり」と「山のふもと」を上下に対照とし、四国霊場の中で一番高い所にある雲辺寺の高さ、大きさ、登ることの大変さを感じることができます。
場所
公式サイト:なし
宿坊:なし
電話:0883-74-0066
徳島県三好市池田町白地ノロウチ763
無料駐車場が100台ほどあります。
大野原インターチェンジから国道11号線経由で約1時間。雲辺寺ロープウェイ乗り場前に駐車場があります。
駐車場は無料ですが、ロープウェイはもちろん有料です。2023年11月現在、大人往復2,200円です。
営業時間や料金はホームページより確認お願いします。(点検等で稼働していない日があるかもしれません。)
雲辺寺ロープウェイに乗り山頂駅に到着後、徒歩5分ほどで雲辺寺に到着。
御朱印
歴史
・弘法大師は雲辺寺に3度登られました。
789年(延暦8年)、1度目は16歳の時に善通寺(第75番札所)の建材を求めて山に入ったが、深遠な霊山に心を打たれてこの地に堂宇を建立したのが創建とされています。
807年(大同7年)、二度目は修行のために訪れました。
818年(弘仁9年)、三度目は弘法大師が45歳の時に訪問。嵯峨天皇の勅願で本尊を彫造。仏舎利と毘廬遮那法印(仏法石)を山中に納めて七仏供養をして霊場を定めたといいます。
雲辺寺は「四国坊」と呼ばれ、四国の各国から馳せ参じる僧侶たちの学問・修行の道場となり、「四国高野」と称されて栄えました。
・貞観年間(859~877)には、清和天皇の勅願寺にもなっています。
・鎌倉時代には七堂伽藍も整備され、境内には十二坊と末寺八ヶ寺を有し、阿波・伊予・讃岐の関所でもありました。
・天正年間(1573~1592)、土佐の豪族の長宗我部元親がこの地の白地城に陣して雲辺寺に参拝し、裏山から眼下を望み四国制覇を目指したが、当時の住職に諫められたと伝えられています。
・江戸時代には阿波藩主・蜂須賀公の手厚い保護を受けた。
見どころ
【仁王門】
【おたのみなす腰掛と茄子の御守り】
【五百羅漢】お釈迦様のお弟子さん500人の等身大の五百羅漢像が境内全域に安置されていて、参拝に来た人を迎えてくれています。
1つ1つ違う表情豊かで様々なポーズをした像です。
まとめ
ロープウェイで頂上まで上がった雲辺寺の隣の敷地には、香川県唯一のスキー場がありましたが2020年の春までのシーズンで閉業になりました。暖冬やコロナによる営業日数の減少や、人工雪のため造雪の電気代の負担の増加などの要因による営業断念です。
スキー場閉鎖後は雲辺寺山頂公園として天空のブランコや天空のフォトフレームなど、SNS映えスポットとしてリニューアルしています。
雲辺寺を参拝した際には公園に立ち寄りってゆっくりと雲のほとりに来た気分を味わい、ふもとを眺めながらご詠歌(えいか)を詠んでみるのも良いかもしれませんね。
次の67番札所「太興寺」まで約13㎞(車で約50分)です!