四国八十八ヶ所お遍路の旅。【71番札所】剣五山 千手院 弥谷寺(けんござん せんじゅいん いやだにじ)
弥谷寺は「日本三大霊場」にも数えられた四国霊場屈指の古寺です。仁王門から400段石段を上ると大師堂があり、さらに140段石段を上ると本堂があります。入口より参拝時間も含めて往復で70分ほどかかります。
足元が不自由な方は料金はかかりますが、裏参道を通ると中腹の270段目まで車で行くことができますよ。
弥谷寺
本尊:千手観世音菩薩
本尊真言:おん ばざら たらま きりく
宗派:真言宗善通寺派
ご詠歌
あくにんと ゆきつれなんも 弥谷寺 ただかりそめも 良きともぞよき
「いやだに寺」に「嫌だ」という気持ちをかけ、「悪」と「良(善)」を対比させています。「かりそめ」とは一時的なことの意味です。
「悪人と行き連れるのは嫌だ。その弥谷寺で、少しでも良き友を持つことは良いことだ。良き友と行き連れたいものだ。」と詠んでいます。
場所
公式サイト:https://iyadanizi.xsrv.jp/
宿坊:なし
電話:0875-72-3446
香川県三豊市三野町大見乙70
無料駐車場があります。さぬき豊中インターチェンジから車で20分。三豊鳥坂インターチェンジから車で5分です。
御朱印
歴史
天平年間(729~749)、聖武天皇の勅願により行基が寺院を建立し創建したとされています。疾病平癒のため、光明皇后から『大方広仏華厳経』が祀られました。
弥谷寺が建つ弥谷山は古くから霊山として信仰され、日本三大霊場の一つにも数えられています。昔から人々は山々に仏や神が宿ると信じており、この信仰はお遍路の元となった辺(遍)路信仰(へじしんこう)の一つとも言われています。
弥谷寺の霊山信仰では山域全体が仏の住む世界であり、「本堂下にある、水場横の洞窟が極楽浄土への入口だと言われ、特別に強く信仰された」とされ、霊山信仰をした修験者により刻まれた摩崖仏が今も無数に点在しています。現在でも水場の洞窟に水経木と呼ばれる真言を書いた木札をお供えし、山頂から流れ落ちてくる霊水で経木を洗い清めるお水まつりがあります。
弘法大師はここで約5年にわたって修学し、807年(大同2年)に唐から帰国した際にも洞窟にこもり、護摩を修したと伝えられています。
その際に蔵王権現(ざおうごんげん)のお告げを聞き、五柄(ごえ)の剣と、唐で恵果和尚に授かった金銅の五鈷鈴(ごこれい)を納めました。
この時に山号を剣五山、寺名を弥谷寺に改めたと伝わっています。
見どころ
【仁王門】
【本堂】
讃岐平野を一望することができます。
【水場の洞窟】神仏の世界の入口とされ、修行僧により刻まれた摩崖仏や修行の洞窟が今でも祀られています。
【獅子之岩屋】咆哮(ほうこう)する獅子の口の形に似た獅子之岩屋は、寺院創建の頃よりあった洞窟だといわれています。
弘法大師が9歳から12歳の頃、岩屋に空いた穴から差し込むわずかな明かりの中で、日夜学問に励まれたと言われています。
【金剛拳菩薩】”かなぶつさん”とも呼ばれ、病におかげがあると信仰されてきました。十六大菩薩の最後に位置し成就を司るといわれ、元禄年間に20年をかけて鋳造されました。
次の72番札所「曼荼羅寺」まで約5㎞(車で約10分)です!