四国八十八ヶ所お遍路の旅。【78番札所】仏光山 広徳院 郷照寺(ぶっこうざん こうとくいん ごうしょうじ)
郷照寺の境内からは瀬戸内海にかかる瀬戸大橋を見渡すことができます。地元では「厄除うたづ大師」と呼ばれ、四国霊場で唯一「時宗」の霊場です。
真言・時宗の二教の法門が関わる八十八ヶ所の中で特異な霊場となり、今日も真言三密の教え・浄土易行の教えが脈々と伝わっています。
郷照寺
本尊:阿弥陀如来
本尊真言:おん あみりた ていせい からうん
宗派:真言・時宗
ご詠歌
踊り跳ね 念仏申す 道場寺 拍子を揃え 鉦を打つなり
この道場寺は一遍上人(いっぺんしょうにん)が踊り念仏を広めた寺です。
踊り念仏の特徴である、「踊り跳ね」「念仏を申し」「拍子をそろえ」「鉦(かね)を打つ」を列挙した形でそのまま構成されています。
この唄は一遍上人をたたえあの世での安穏を祈ながら、人々はここで踊り跳ねながら念仏を申し、リズムをそろえながら鐘を打っているだろう様子を唄っていると思われます。
場所
公式サイト:https://yakuyoke.org/
宿坊:なし
電話:0877-49-0710
〒769-0210 香川県綾歌郡宇多津町1435
30台ほど停められる無料の駐車場があります。JR宇多津駅より徒歩17分。坂出インターチェンジより車で10分。
御朱印
歴史
往時から港町として栄え、「四国の表玄関」とでもいえる場所なので、高僧・名僧との由縁が深く、「厄除うたづ大師」と親しまれる郷照寺は、四国霊場唯一の「時宗」の霊場です。
725年(神亀2年)、行基によって開創されました。行基は55㎝ほどの阿弥陀如来像を彫刻し本尊として安置し「仏光山 道場寺」と名付けました。ご詠歌の中の道場寺はここからきています。
807年(大同2年)、弘法大師がこの地を訪れ、仏法有縁の地であると感得しました。当時、弘法大師は厄年の42歳であったため、弘法大師自身の像を彫造して厄除けの誓願をしました。この木像が「厄除うたづ大師」として今も信仰される大師像です。
仁寿年間(851~854)、京都の醍醐寺の開山として知られる理源大師がこの寺で籠山して修行しました。
寛和年間(985~987)、浄土教の理論的基礎を築いた恵心僧都が、霊告を受けて釈迦如来の絵を奉納して釈迦堂を建立しました。
1243年(仁治4年)、中院流の祖であり『南海流浪記』の著者である高野山の道範阿闇梨が配流になった時にこの寺を仮寓にしました。
1288年(正応元年)、鎌倉時代には時宗の開祖である一遍上人が念仏の道場を開いて中興。易行・浄土教の教えを広めたことから、真言・時宗の二教の法門が関わる、八十八ヶ所の中でも珍しい霊場です。
見どころ
本堂や大師堂の天井は、様々な花のモチーフの美しい彫刻によって彩られています。七五三や厄払いなどの祈祷の際は、本堂や大師堂に入ることができるのですが、普段の参拝では建物の中に入ることはないと思います。
しかし大師堂前の屋根にも天井に花の彫刻があしらわれているのを見ることができます。郷照寺を訪れた際には、是非忘れずに大師堂の前で上を見上げてみてください。
【鑑賞式庭園】、【境内から望む瀬戸大橋の眺望】
次の79番札所「天皇寺」まで約8㎞(車で約15分)です!