四国88ヶ所お遍路の気になる知識を簡単に紹介。最低限の参拝方法や御朱印のもらい方。
お遍路の歴史
四国88ヶ所霊場は弘法大師が42歳の、815年(弘仁6年)に開いたと言われており1200年以上の歴史があります。
のちに弟子達が弘法大師の足跡を遍歴し、四国中を巡る修行をしたのが霊場巡礼の始まりとされています。
江戸時代になると交通路の発達に伴って、一般の人々にも普及しました。
17世紀後半に真念と言う名の修行僧が、1から88までの番付を採用した『四国辺路道指南(しこくへんろみちしるべ)』を出版したことにより、ほぼ現在のスタイルに固定されました。
1400㎞に及ぶ回遊型の巡礼路で、他の巡礼のように教団等による布教活動はありません。
四国霊場では、人間には88個の煩悩があるとされており、全てを巡ることで煩悩が消え願いが叶うとされています。
煩悩の数は108個が有名だけど、諸説あるので決まってはないんだよ。
装いと心構え
本来は上図のような白装束の格好です。
- ①菅笠(すげがさ)
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強い日差しから守ってくれる日よけとして、また雨風をしのぐ雨具として役に立ちます。
- ②金剛杖
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金剛杖には弘法大師が宿ると言われており、「同行二人(どうぎょうににん)」の言葉の通り、巡礼中は弘法大師と共に歩きます。
- ③輪袈裟(わげさ)
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お坊さんの袈裟を簡略化したものです。
- ④数珠(じゅず)
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参拝の際に手にしておきます。
- ⑤白衣(はくい・はくえ)
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巡礼中に着る白い道中衣です。
- ⑥納経帳(のうきょうちょう)
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各札所でお経を唱えたしるしにお納経を頂きます。
参拝手順
①山門(仁王門)前で合掌、一礼してから境内に入ります。
仏様に失礼のないように、まずはご挨拶をしましょう。
②身を清める
左手→右手の順に水をかけ、左手で受けた水で口をすすぎます。 残りの水を柄杓の柄に流してすすぎます。
③鐘打ち
参拝前に鐘打ちをします。打ち忘れても帰りに鐘を打たないようにしてください。
④本堂
献灯、献香、納札を納め、鐘を打ち、お賽銭を納め、礼拝、お経(読経、写経等で)を奉納。
⑤大師堂
本堂と同じように、献灯、献香、納札を納め、鐘を打ち、お賽銭を納め、礼拝、お経(読経、写経等で)を奉納。
⑥他を参拝
時間があるようならば他のお堂にもお参りします。
⑦納経所
参拝が終わってから納経所でお納経を頂きます。
事項の項目で詳しく説明しています。
⑧山門で合掌、一礼して境内から出ます。
帰りもきちんとご挨拶をしてから、札所をあとにしましょう。
お納経(御朱印)
四国88カ所専用の納経帳であれば1冊にきれいにまとめることが出来るので、準備するのをお勧めします。
大きめの札所であれば現地で販売していますし、ネットでも購入することができますよ。
値段は2,000円~5,000円程度と作りによってばらつきがあります。デザインが自分好みで選べるのでネット検索がおすすめです。
墨字 | ・奉納 ・本尊の梵字 ・本尊の名前 ・札所名 |
朱字 | ・札所番号の印 ・本尊の印 ・札所の印 |
納経は一つ一つ手書きです。受けられる時間と料金分の小銭を用意しておきましょう。
帳面を渡す際には書き始めやすいように、ページを開いて渡したいものです。
時間 | 7:00~17:00 |
料金 | ・帳面 300円 ・軸 500円 ・白衣 200円 |
同じ札所で2度、3度とお参りされて御朱印を受ける場合は、新たにもう一冊用意しなくても大丈夫です。重ね印と言って前回の御朱印の上に重ねて記帳してもらうようになります。
その場合は墨字は省略して朱印のみ重ねるので、何度も巡礼するとページが真っ赤になります。それは何度もお遍路巡礼した証なので味があるのものです。
まとめ
四国88カ所お遍路は徒歩でまわらないとならない訳ではなく、車でも自転車で巡礼しても大丈夫です。札所を順番にまわる人もいれば、バラバラにまわる人もいます。自分のペースで巡礼することができるのが魅力です。